久々更新、ブラジルスナップ第8回。
今回の一枚はご覧の通り、日本中で見かける牛丼屋チェーン「すき家」です。昨今はネガティブな話題で日本社会を騒がせることの多い店ですが、実はブラジルにも出店しているのです。写真の店舗はサンパウロ市内のパウリスタ大通り(Avenida Paulista)のもので、他には東洋人街リベルダージ近くの地下鉄サンジョアキン駅(São Joaquin)のすぐ前にも店舗があります。僕が行ったことあるのはこの2店舗ですが、今調べてみたらブラジル国内に全部で11店舗展開しているんですね。
日本人客も多いため、日系人および日本在住経験のあるブラジル人のスタッフがカウンターで接客することが多いようです。僕が注文した時もそうでした。
ところで僕は大体どこの国に行っても現地人化を目指して地元のものばかり食べるのですが、日本食が必要で、日本食に助けられる状況というのもやはり存在します。以下の4つの場合です。
1、到着直後の現地適応期
2、旅の中盤、一度リフレッシュが必要な時
3、旅の終盤、帰国に向けた体力回復と気持ちの準備
4、現地で日本食を紹介する時
上記のうち「1、到着直後」というのは大事です。郷に入れては郷に従えということで、旅に出たなら現地のものを現地の人が食べるように食べることをあらゆる人にお勧めしたいですが、それにこだわり過ぎて逆に体調を崩しては元も子もありません。胃が丈夫で全然平気な人は気にしなくてよいですが、その点で自分に自信のない人は無理せず少しずつ慣れていくことをお勧めします。特に到着直後は時差、気候、振る舞い方など適応すべき項目が色々あるので、健康に直接関わる食事の部分に関しては、とりあえず日本食に頼ることはあってよいと思います。日本食がなければ中華などの「比較的日本食に近いもの」を食べるか、あるいは現地の食材でも自分が知っている料理・食べ方で口に入れるというのでも構いません。僕は昨年7年ぶりに韓国を訪ねて約2週間滞在した時、到着から一夜明けた最初の昼食は迷わず現地の丸亀製麺に行きました。一方、今年のブラジル滞在に関してはブラジル食でスタートしました。これは2年前にも長期滞在していたことから違和感がなかったためです。「無理をしない」というのがポイントです。
これは「2、旅の中盤」も「3、旅の終盤」も一緒です。終わりが決まっている旅の場合そうですが、真ん中くらいで少し疲れも出てきます。こういう時にピンポイントで日本食を入れると、とっても元気が出てリフレッシュになります。僕は今年の80日間のブラジル滞在において、45日目くらいで一度、日系人の友人と一緒に東洋人街の沖縄料理店に行きました。まるでどこでもドアで日本(沖縄)に入ったような感覚で、リフレッシュとして最高の時間になりました。
ちなみに上の写真の「すき家」は旅の終盤で訪れました。最後の1週間になって精神・肉体の両面で疲労が限界に達し、キャパ越え状態になったためです。それまでずっとホームステイだったのですが、残っていたお金でホテル滞在に切り替え、出発前日と前々日と二晩続けて「すき家」のお世話になりました。
あ、そういえばこの最後の数日間は、単に日本食というだけでなく、スタバやサブウェイなどのグローバルチェーンにも大変お世話になりました。「日本食」ということで書いてきましたが、今回の話においては「スタバ」や「サブウェイ」などの日本で展開しているグローバルチェーンも「日本食」に含みます。つまり「日本での生活で慣れ親しんでいた食事」のことです。日本食ならなんでもよいということではありません。
そう考えると、グローバリズムというのも時に有難いものです。世界の没個性化を推し進める性格を有するグローバリズムですが、逆に考えると、世界のあらゆる場所に「ローカルから隔絶されたシェルター」のようなものを配置しているとも言えます。実際僕はそれに助けられたわけですし。
グローバリズム(世界の一体化)とローカリズム(地域主義)は衝突を避けられませんが、両者の摩擦を前提にしながら両方の良いところに片足ずつ乗せて生きていくのが僕には理想です。わがままですかね。
以上、ブラジルスナップ第8回でした。