ゾウくんと算数の宿題をやったら消しゴムの歴史を知った話2

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こんばんは。随分と日が空いてしまいましたが、前回の続きです。小学3年生のゾウくんの算数の宿題を珍しく一緒にやってみたけれど、話の流れで消しゴムの歴史や生産過程の勉強になったという話です。

算数の問題を解く集中力が切れてしまったので、彼がその手に持っていた「消しゴム」について一緒に勉強することにしました。宿題は大事ですが勉強の全てでもないので、あまりそこに捉われても生産的ではありません。学びの対象は変わっても「学ぶ」という行為そのものが継続する方が大切です。

さて、「この消しゴムがどこから来たか、どうやって作られたか知りたい?」と思いつきで話を振ってはみたものの、僕もそんなの知りません。せいぜい知っていたことといえば、ゴムの木からゴムがとれるとか、工場で作ってるとかくらいです。なので、とりあえずインターネットの力を借りることにしました(便利な時代です)。そうすると、やはりその疑問にしっかり答えてくれるサイトがすぐにひとつ見つかりました(本当に便利な時代です)。ちなみにリンクはこちらです。

リンク先の解説を読むと、衝撃の事実が明らかになりました。なんと昔、消しゴムというものが発明される以前は、パンで字を消していたというのです。正確には1770年、イギリスのプリーストリーという科学者がブラジル産のゴムで字を消したのが最初だそうです(ちなみにこの手の歴史は西洋史を基準にしていることが多いので、記録に残ってないけどもっと前から知っててやってた人が世界の別の場所にいた可能性もあります)。どちらにしても、僕はこの「昔はパンで消しとった」という事実に純粋にびっくりしました。なので、横にいたゾウくん(&好奇心に駆られてレゴの課題を放って走ってきた弟のコウモリくん)にクイズとして出題してみました。

「なあこれ凄いぞ!今から200年以上前にイギリスのプリーストリーさんって人がゴムで字を消すまで、消しゴムの代わりに違うもん使って消しとったらしいで!何だと思う?!」

こういう時、自分も知らなくてびっくりしたことを出題すると、こちらの興奮やワクワクが伝わって場の雰囲気がより前向きになることは多いです。ゾウくんもコウモリくんも口々に色々思いついたことを言います(小学生というのはこういう時けっこう面白いこと言うんですよね)。適宜ヒントを出しながら少しずつ答えに近づいていってもらって、最終的に答えに辿り着きました。すると案の定ゾウくんがこう言いました。

「なあ、パンで消してみたい!」

大成功!主体性が触発されたわけです。とか言いつつ僕自身は横着で面倒くさがりなので一瞬「あ、そりゃそうなるよな、しまった」と思いかけましたが(すいません)、ここで「そうだね、こ、今度やってみよう」とか言って逃げるのは厳禁です。むしろ手元にパンがなきゃパッと買いに行くくらいの行動力が必要です。というわけで、この時はたまたま冷凍庫に凍らせてた古いパンがあったので、それを取り出して解凍し、実際にパンで字を消してみることにしました。

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消してみる

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愛用のミニ虫眼鏡で観察

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消しゴム&消しパン

実際やってみると、確かに消えました!面白い!ただ、消した後のノートの表面は跡が残って上から書くのが難しくなります。消しゴムの発明がいかに画期的だったかが分かります。他にも、消しゴムで字が消える仕組みを解説して、ノートに書かれた鉛筆の文字を虫眼鏡で観察して紙の繊維や鉛の粒を探してみたり、ゴムの木の写真を一緒に見たり、まあ色々しました。

それと、現在一般的に使われているプラスチック消しゴムの、工場における製造過程の動画を発見したのでそれも一緒に観てみました。こちらです。

説明が必要そうなところは適宜補足しながら、一緒にワイワイ言って楽しく最後まで観ました。途中ゾウくんもコウモリくんも気になるところがあると一時停止や巻き戻しを要求してきたり、質問してきたりします。理解できる範囲のことや知ってる範囲のことは答えますが、知らないことについては「知らんのよ」と正直に伝えます。その場ですぐに調べて教えることもあれば、「よかったら調べて今度教えて」と逆に頼むこともあります。

まあそんなこんなで、楽しく色々やってるうちに消しゴムについて妙に詳しくなりました。ところでこの日は長男のシャチ君が用事でお休みしていたので、「多分シャチ君この消しゴムの歴史とか知らんぞ」と2人に言ったらもう大喜び。長男のシャチ君は知識欲旺盛で記憶力も高いため、2人の弟達はそんなお兄ちゃんも知らないであろうことを勉強したんだと、本当に嬉しそうな顔をしていました(その後期待に胸を膨らませて帰宅してシャチ君に問題を出したら、何と即答で正解されたそうです。曰く「何かの本で読んだ」と。やりおる)。

ゾウくん、コウモリくん、2人の少年は新しい知識を手に入れたことがこの日はよほど嬉しかったようで、「ノートに書く?」と聞いたら「書く!」と言って、滅多に開かない寺子屋ノートに一生懸命ノートをとり始めました。この時、プリーストリーさんが初めてゴムで字を消した1770年が今年から数えて何年前か、みたいなことをゾウ君に聞いて、こっそり算数のトレーニングもしてもらいます。そういえばコウモリ君は「1770」と書くべきところをはじめ「1000 700 70」と書いていました。うーん、気持ちはわかる!ある意味間違ってないですしね。小学生はこういうところが面白いです。

他にも細かいエピソードは幾つかありましたが、長くなるのでこの辺でやめておきましょう。もとは全然関係ない算数の宿題から始まったのですが、結果的に理科も社会も算数も混ざったような面白い勉強ができました。こういう形で覚えたことってわりと忘れないらしく、この1週間後に再びコウモリ君に「プリーストリーさんが最初にゴムで消したのいつ?」と聞いたら、「1770年!」と即答でした。びっくり。

以上、算数の宿題が消しゴムの勉強になった話でした。すっかりブログの更新をお休みしていましたが、また更新再開します。お楽しみに!