一昨日・昨日の2日間、海外からの友人を鳥取に迎えていました。上の写真のポーランド人姉妹で、姉のマルレーナ(右)はドバイ在住のキャビンクルー(飛行機の客室乗務員)、妹のヘレナ(左)は地元ポーランド在住の高校生です。遠路はるばるドバイとポーランドから鳥取まで会いに来てくれたわけですが、実はマルレーナと会うのは今回が2回目で、妹のヘレナは初対面でした。タイトルにもある通り、マルレーナと知り合ったのは飛行機の機内です。今年2月にブラジルに行った帰りの飛行機で、僕が座っていたエリア担当の客室乗務員が彼女だったのです。機内で色々話していたら「妹が昔から日本に興味を持ってて、是非一度連れて行きたい」とのことだったので、いつかお互いの国を案内し合おうみたいな話で連絡先を交換していたのですが、意外と早く実現しました。昔から飛行機に乗る度に他の乗客か客室乗務員の誰かと親しくなることが多いのですが、鳥取まで会いに来てくれたケースは今回が初めてのような気がします。それとポーランド出身の友人も人生初ですね。彼女と親しくなるまでは、存在は認知していても殆ど積極的な関心を持ったことのない国のひとつでした。大学時代に研究室でお世話になった教官の一人にロシア文学・ポーランド文学専門の沼野充義教授がおられたのですが、僕は同じ研究室でもラテンアメリカの勉強ばかりしていたので、ポーランド関係は殆ど学ばずに終わりました。あとは中学生の頃にたまたま持っていた漢字の本でポーランドを「波蘭土」と書くと知って衝撃を受けて、一時期ノートにやたら「波欄土」と書きまくっていたことがありましたが、おそらくあれが僕の半生で最も「ポーランド」に近付いた出来事です。それくらい縁遠かった国でした。とはいえ考えてみれば、今では第二の故郷となったメキシコもかつては僕にとってそういう国の一つでしたし、いつ何処でどんな国や地域と縁ができるか、本当に分からないものです。
というわけで、まずポーランドという国について簡単にご紹介します。まず、位置からです。
実はスペイン・フランス・ドイツと同じくらい、面積的には目立っている国です。ちなみに日本と比べると、面積は約5分の4、人口は約3分の1です。逆に言えば日本はポーランドと同じくらいの面積に約3倍の数の人間が住んでることになるわけです。日本と大きく異なるのは、海にも接しつつ、7カ国と国境を接しているところです(上の地図に国名が出ている隣国は6カ国ですが、よく見るとロシアの飛び地とも国境を接しているので7カ国)。この「陸の国境を持ってる感じ」というのは、日本で生まれ育った人間にはなかなか掴めない感覚ですね。
次に国旗です。見覚えのある方もおられると思いますが、いかがでしょう?
国旗の次は人です。ポーランド出身の著名人。ここでは4名ご紹介します。

フレデリック・ショパン

ニコラウス・コペルニクス

マリア・スクウォドフスカ=キュリー

ヨハネ・パウロ2世
作曲家ショパンに、「天地をひっくり返した男」コペルニクスに、科学者キュリー夫人に、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世。錚々たる顔ぶれです。この4人がポーランド出身だったこと、恥ずかしながら僕は知りませんでした。一昨日、鳥取市内の大戸屋で定食を食べながら2人に教えてもらいました(下はその時の写真ですが、これを見た妻が一言「大戸屋がめっちゃオシャレに見える」)。
逆に「誰か有名な日本人知ってる?」とこちらも聞いてみたところ、マルレーナから「ハルキ・ムラカミ」という答えが返ってきました。ポーランドでも大変な人気だそうで、彼女もファンだとのことです。他には「何かあの、ヴァイオリン弾いてる人」と言うので「髪の毛もじゃもじゃの人?」と確認したら「そうそう、その人」と。詳しくは聞きませんでしたが、葉加瀬太郎さんもポーランドで有名なんですかね。
さて、彼女達を案内した鳥取観光コースですが、最初に一応砂丘があることを伝えた上で、興味あるかどうか聞いてみました。というのも、マルレーナはドバイ在住で砂丘どころか砂漠の中に住んでいるので、わざわざ日本に来てまで砂を見に行かなくてもいいだろうと思ったからです。他の訪問者だと大抵まず迷わず砂丘に連れて行って、一緒に馬の背(砂丘名物の砂が盛り上がってるところ)を登ってそこからの景色を楽しむんですが、今回は相手が相手ですからね。で、彼女の答えですが「せっかくだから日本版もチェックしとこうかな(笑)」ということだったので、完全にネタ作り目的で砂丘に向かいました。で、砂丘に着く前に近くのらっきょう畑(より正確にはらっきょう畑も砂丘の一部です)を案内したら「この畑、もしかして砂丘の砂を育ててるの?」みたいなことを言ってきました。こういう時は迷わず「そうだよ」と返します。もちろんお互い冗談で言ってるわけです。別に特に外国人同士のやり取りに限ったことではないですが、それでも特に外国人同士のコミュニケーションにおいては、最終的に友情を深めてくれるのはユーモアだと僕は思っています。お互いの国や文化を知り合う、みたいなことももちろん大事ですが、少なくとも友情を育みたいのであれば、ある意味それ以上に大事なのが「どうでもいい話」や「軽口」をどれだけ共有したかということです。別に「国際交流」が目的で会ってるんじゃなくて、単にお互い人生のひと時を分かち合って楽しく過ごすために会ってるのですから、当然の話です。ちなみにこの後鳥取の人口を聞かれた時は「5人。お陰様で今日明日は7人」と答えました(別にそう答えると決めてるとかじゃなくて、その時適当に思いついたことを言うだけです。もちろん後で実際の数字も話します)。あ、ちなみに会話は全て英語です。僕はポーランド語は全く分かりません(2人が話しているのを聞いてる限り、なかなか響きがかっこいい言語です)。
というわけで、一応砂丘に行きましたが、妹のヘレナのコメントが面白かったので紹介します。
「砂と海と森と山がひとつの景色の中にあって面白い!」
はい、これ鳥取の皆さんは今後の砂丘アピールに活用してください。アラビア半島の砂漠を知ってる子が言うんだから、これは立派な鳥取砂丘の個性です。実際この山も海も砂も全てがお互いに近い、というのは鳥取という場所の大きな魅力の一つです。
砂丘の後は、ランチを食べに市内の喫茶店「TOTTORI COFFEE ROASTER」に向かいました。ここは2013年4月まで僕が寺子屋をやっていた場所だったのですが、その時のお隣さんが珈琲焙煎士の田中治さんで、現在はその田中さんによる、焙煎工房&喫茶店一体型の素晴らしいお店になっています(誤解のないように記しておくと、場所を乗っ取られたのではなくて、僕が自分から出て行って田中さんに場所を引き継いでいただきました)。入口の写真を載せておきます。
せっかく遠くから鳥取に来てくれた友人を案内するので、こういう時は「鳥取の地元の人間じゃないとパッと分からないような素敵な店」にお連れするのが大切です。また、店のオーナーが案内役と親しかったりすると、より親近感も持てるものです。実際、とっても気に入ってくれました。このランチの時点から僕の妻と長男(2ヶ月半)も合流したのですが、ベビーカーが一緒でも安心して入れるお店であるということを付け加えておきます。僕はココアばっかり飲んでるのであまり珈琲の味は分かりませんが、オーナー田中さんによる自家焙煎珈琲の味が素晴らしいことくらいは分かります。観光で訪れる方にも、鳥取在住の方にもとってもオススメのお店です。
はい、気が付いたらお店の宣伝になっていましたが(もちろん僕が勝手に宣伝しています)、何だかそろそろ記事も長くなってきましたので、いったんここで切ります。記事タイトルの末尾に「1」と付けて、続きは「2」で書くことにしましょう。
それではまた。