スペイン語とポルトガル語は同時に学べるの?

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スペイン語とポルトガル語が似ている、と聞いたことのある方は多いと思いますが、実際のところ、この2つの言語は本当に似ているのでしょうか?

結論からお伝えすると、実際によく似ています。(ついでに言うとイタリア語も似ている)

まず文法体系がほとんど同じで、単語・表現・言い回しについても似通ったものがたくさんあります。そのため綴りもよく似ていて、書かれた文や文章を眺めると似ているのがよく分かります。一方、発音には若干の差異はありますが、それでも多くの単語は大まかな響きが似ているので、やはりこれも他の言語を新たに学ぶことに比べれば簡単です。

さて、ここからです。実際にそのように似ているのだとすると、この2言語をいっそのこと同時に学んでしまうことも可能なのではないか、と考える方もおられることでしょう。今回は、このスペイン語・ポルトガル語の同時学習というテーマについて、その可能性や方法を考えてみたいと思います。

これも最初に結論を言ってしまうと「学習の段階によっては同時学習も全然アリ」というのが僕の考えになります。

ここで言語の学習到達度を「①体験レベル」「②初級レベル」「③中級レベル」「④上級レベル」の4段階に分けるとします。①は文字通り、初心者がひとまず体験してみる、といったレベルです。②と③はそれぞれ日本の学校英語でいう中学レベルと高校レベル、④はそれより更に上とします。

このうち、「②初級レベル」を除く①③④においては、2つの言語に同時に触れるような方法でも学習は成立すると僕は考えています。

「①体験レベル」では、基本的な挨拶や数字の数え方といった内容にひとまず「触れてみる」わけですが、この段階でスペイン語とポルトガル語を同時にチェックして実際に自分の目や耳や口で比べてみることには意味があると思います。ただしこの時、目的としてより重要なのは「実際に覚えて使う」ことよりも、「2つの言語の類似性(あるいは差異)を実感する」ことです。まずは何となくでもよいので「確かに似てるなあ」とか「多少は違ってるなあ」みたいなことを自分自身の感覚でしっかりと感じておくことが重要です。これを体験しておくことで、「少なくともどちらかの言語を習得できれば、もう片方も何とかなりそう」という具体的でリアルな感覚・イメージを得られます。その感覚を掴むことができれば、この段階における「同時学習」の目的はひとまず達成されたことになります。

その上で「②初級レベル」に入るわけですが、この段階においては2言語のうちどちらかひとつに絞って集中的に学んでしまった方が、全体として考えた時に効率が良いと思います。具体的には特に初級文法の理解と、基本的な単語・表現の習得です(学んだ文や単語を正確に発音することも含む)。前述したように、文法体系や語彙に関して、スペイン語とポルトガル語は非常に似通っています。これは逆に言えば、わざわざ両方を同時に学んで情報量を増やさなくても、片方をしっかり理解・習得できれば、その応用でもう片方も効率的に理解・習得可能だということを意味します。ですので、ここは両方を一気にやりたい気持ちを抑えて、どちらかひとつ自分が選んだ方にしっかり集中して頑張ってください。

せっかくなので、それぞれの言語の初級レベルのテキストを1冊ずつ紹介しておきます。


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これはちょっとした学習上のコツなのですが、同じ出版社の同じシリーズのテキストでそれぞれ学んだ方が、後で比較対照する時に便利です。今回は最近リニューアルされて使いやすくなった白水社のニューエクスプレスシリーズをご紹介しましたが、特にこれじゃなきゃダメというわけではないので、書店などでご覧になってしっくりくるものを選べばよいと思います。

【関連記事】スペイン語とポルトガル語を同時に学べる本

さて、どちらか一方の「②初級レベル」の習得に目処が立ったら、その言語でそのまま「③中級レベル」に進むことも可能な一方で、選ばなかったもう一方の言語で「②初級レベル」に取り組むのも随分と簡単になっています。ここから本格的な「同時学習」が始まると言ってもよいでしょう。一つ目の②に比べて二つ目の②は理解するのが簡単で、学び方としては一つ目と二つ目の言語でどこが同じでどこか異なっているかを確認・納得しながら進めていく形になります。これを進めていくと、2つの言語間で単語や言い回しを「変換」する時の法則のようなものを自分で発見できるようになっていきます。その楽しさに目覚めてしまえば完全に勝ちです。

こうして両方の言語において「②初級レベル」を消化できたら、そこから先の③④においては、順番にやっても同時にやっても、あるいはその時々で方法を切り替えても、学習する上で支障はないと思います。むしろ、それぞれの知識を互いに応用可能だったりするので、学習上の相乗効果が期待できます。

いずれにしても、せっかくスペイン語を学ぶのであればポルトガル語も、あるいはせっかくポルトガル語を学ぶのであればスペイン語も学んでしまわないのは逆にもったいないです。特にこの2言語を習得できると、メキシコ以南のアメリカ大陸のほとんどの国でコミュニケーションが可能になります。それと冒頭でも少しだけ触れましたが、この2言語と同じく非常に似通っているイタリア語も、ここまで述べてきたのと同じ考え方で学ぶことができます。この3言語に関しては、どれかひとつを習得したらついでに全部やってしまうのがオススメです。これらの言語を話すラテンの国々で言葉が通じるようになると、それはそれは楽しく豊かな人生が送れます。ぜひ。

というわけで、ざっくりとですが、スペイン語とポルトガル語の同時学習についてご紹介しました。少しでも興味の湧いた方は、是非思い切って学んでみてください。それではまた。

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