鳥取に生活拠点を移してから、すっかり新作映画情報に疎くなってしまっています。なにせ本県内では西部、中部、東部の3つの生活圏にそれぞれ一館ずつしか映画館がありません。
僕が暮らしている鳥取市を含む東部地区では、鳥取駅前歩いて数分の所に「鳥取シネマ」という映画館があるのですが、スクリーン数は僅か2枚です。ですので上映される作品は自然と限られており、その大半は子供向けのアニメ映画や邦画の話題作(売れてる漫画等が原作の映画や人気ドラマの映画版)で、これにハリウッドの話題作・大作が加わるといった感じです。大学生時代、帰省中に映画を観に行こうと思ったらポケモンかハリー・ポッターしかやっていなくて愕然としたことがあります(別にポケモンやハリーが悪いということではなくて、あくまでその当時僕が求めていた種類の作品が上映されていなかったということです)。スクリーンの数が少なければ、運営側も一定の観客数が見込める作品から上映していくのは当然の帰結です。あれだけ人の多い東京でさえミニシアターが次々閉館に追い込まれているわけですから、これはもう仕様がないです。むしろ鳥取に所縁のある映画が出てきたら積極的に上映するなど、鳥取シネマさんも頑張っています。例えば現在上映中の『ゆずり葉の頃』という作品、今ネットで調べたら、鳥取県米子市出身の故・岡本喜八監督の妻である中みね子さんによる初監督作品のようです。映画情報を見たら制作協力に鳥取県の名前も入っていますね。以前には『明日への遺言』のロングランが行われていましたが、これも主人公の岡田資中将が鳥取県出身者だったためです。
ちなみに僕が高校生の頃までは同じ鳥取市内にもうひとつ「フェイドイン」という名前の映画館があったのですが、東京で大学生活を送っている間に気が付いたらフェイドアウトしていました。もっと昔には他にも映画館があったようです。現在残るたったひとつの映画館までなくなってしまっては困るので、僕も観たい作品がやってきた時には出かけるつもりで待ち構えています。
鳥取市から西に約50km、倉吉市率いる隣の中部地区では、ショッピングセンター内に「シネマエポック」という映画館が入っています。スクリーン数は3枚。東部より1枚多いです。僕はまだ行ったことありません。
倉吉市から更に西に約40km、西部地区の映画館「MOVIX日吉津」(「ひえづ」と読みます)は、6つのシアターを有するいわゆるシネマコンプレックス(シネコン)で、上映作品数も鳥取県内で断トツです。海沿いの一本道を約1時間半のドライブで行けるので、鳥取市からでも問題なくアクセス可能です。行き慣れていないと「遠い」と感じますが、いったん味をしめてしまえば全く遠くない距離です。
以上、3つです。鳥取は県全体で映画館が3館です。各生活圏に1館!潔いといえば潔い状況ですが、何とも寂しい現状です。レンタルビデオを家庭で観るというのも立派な鑑賞行為ですが、やはり身の丈を大きく超えるスクリーンで、非日常的な体験として様々な映画と出会いたいものです。現存する3つの映画館には今後も頑張ってもらった上で、同時に次の手を考えていかねばなりません。もっと楽しくて豊かな鳥取の未来に向けて、僕も然るべき時が来たら動いていこうと思います。そのためにも今はまだまだ、準備と下積みです。