2ヶ月前のことになるのですが、ネイマールが人種差別反対を訴えるためにインターネット上で公開した動画に僕も出演しました。本ブログでも紹介しようと思っててすっかり忘れていたところを、昨日友人に言われてやっと思い出しました。
はじめに動画の説明をすると、タイトルは『Sangue vermelho』(赤い血)です。「sangue(サンギ)」が「血」で、「vermelho(ヴェルメーリョ)」が「赤い」なので、日本語や英語とは名詞・形容詞の順序が逆になります。動画の内容は、「黒い肌でも白い肌でも、金持ちでも貧乏でも、血の色は同じ赤。話せないままこの世に生まれ、やがて手ぶらで去っていく」という意味の歌を、様々な人種の人達で順番に歌うというものです。僕は「日系」および「アジア系」の代表として出演しました。このキャンペーンを行った理由と経緯についてはあえて直接確認はしませんでしたが、この少し前のスペインでの出来事に対する応答であることは言うまでもありません。すなわちスペインリーグの試合中にネイマールが観客による人種差別行為を受けたというもので、日本語のネットニュースでも報道されています。この記事にもあるようにネイマール自身は殊勝なコメントを残して受け流していますが、それから程なくしてこの動画の制作が行われました。出演者は僕以外おそらく全員ブラジル人です。「おそらく」と言ったのは、ブラジル人はその見た目だけで国籍を判別することがほぼ不可能なくらい人種の混交が進んでいるからです。つまりこの動画は、あらゆる人種が混ざり合って共存するブラジル社会による、人種差別に対するお洒落で爽やかな応答だということです。こういうプロジェクトの一翼を担えることは個人的にも光栄でしたし、実際ブラジルに行く度にその人種的偏見の無さを心地よく感じているので、この国のそういう部分がもっと注目されお手本にされればと願うばかりです。特に日本もこの点についてはまだまだ呆れるほど遅れているので、この動画をきっかけに視野を広げる方が少しでも現れれば嬉しいです。
というわけで説明が長くなりましたが、こちらがその動画です。色々真面目な話も書きましたが、多様性の宝庫ブラジルの風を感じながら、楽しんでご覧いただければ幸いです。