昨年暮れから、車での移動中のBGMに映画『ニューシネマパラダイス』のサウンドトラックを流しています。学生時代に初めて鑑賞して以来、何度も繰り返し観た作品です。近年は観ていませんでしたが、1ヶ月ほど前にふと思い立って車でサントラを流すことにしたのです。インターネットとApple Musicのお陰です。これを流していると、たとえば古紙回収所にダンボールを捨てに行くだけでも、あるいはその辺のチェーン店のドライブスルーで飲み物を買うだけでも、郷愁と情趣に溢れた名シーンの中に自分がいるような気がしてきます。
それで年が明けた昨日の元旦もそのまま同じ音楽を聴きながら家族でレゴの福袋を買いに出かけたのですが、その道中でふと思い立ちました。「今年の元日は『ニューシネマパラダイス』を観て過ごそう!」と。落ち着いて家で過ごすお正月、久しぶりに落ち着いて映画を観るならこの作品しかないと思い、夫婦で久しぶりに鑑賞しました。泣いて、笑って、胸を締め付けられて、また温められて、相変わらず何度観ても魂の底まで沁みる名作でした。年明け早々、素晴らしい映画を再び観れて満足です。
簡単に説明しておくと、『ニューシネマパラダイス』というのは1989年のイタリア映画です。第二次大戦後間もないシチリア島を舞台に描かれる、映画を愛する少年トトと映写技師のアルフレードの交流を軸とした物語で、映画への愛、人間への愛、人生への愛に溢れた傑作です。監督・脚本はジュゼッペ・トルナトーレ。音楽はエンニオ・モリコーネです。この2人が組んだら誰も敵いません。というわけで、以下のどれかひとつにでも当てはまる人は、すぐにでも時間を確保して、なるべく大きな画面で観てみてください。
- 映画が好きな人
- 人間が好きな人
- 人の温もりが恋しい人
- 忘れられない何かを過去に置いてきた人
- 故郷を持つ人
- 何らかの郷愁を抱えて生きる人
- 「本物の映画」を観てみたい人
- 美しい音楽に出会いたい人
ちなみにこの作品には「劇場公開版(約2時間)」と「完全オリジナル版(約3時間)」の2種類が存在します。両方をしっかり楽しみたい方は前者から鑑賞するのがオススメです。逆にどちらかひとつだけを選ぶなら、最初から後者を観てください。
一応、予告編を載せておきます。
ちなみに僕がこの作品を初めて観たのは学生時代、イタリア大使館で行われたリバイバル上映においてでした。他ならぬこの作品をフィルムで、スクリーンで初鑑賞できたことは、人生の大きな幸運のひとつだったと今でも思います。
上のリストに当てはまる方はもちろんですが、実際誰が観ても忘れられない作品になることと思いますので、まだ観たことのない方は是非是非、ご覧になってみてください。