5月のことになりますが、ヴィニシウス・ジュニオール選手の来日時通訳を務めました。来日中に収録した番組のオンエア等も全て終わっていますし、記録を兼ねてまとめておくことにしました。
ヴィニシウス選手について簡単に紹介すると、彼はブラジル出身のサッカー選手で、スペインのレアル・マドリード所属です。日本の久保建英選手が最近加入したことでも話題になっている、名実ともに世界最高のクラブの一つです。リオデジャネイロの名門フラメンゴで頭角を現し、弱冠16歳で将来のレアル加入が決定しました。
その後、移籍が可能となる18歳の誕生日を迎えると同時にスペインに渡り、現在に至ります。その活躍ぶりと潜在能力は、サッカーファンの間では既に広く知られているところです。移籍に際してレアル・マドリードがフラメンゴに支払った金額は4500万ユーロ(約55億円)と言われており、ブラジル代表の絶対的エースであるネイマールの後継者として、最も期待されている若手選手です。
というわけで、アテンド中の様子をまとめておきます。
まずは動画から。
今回の来日の主目的、イタリアの時計ブランドGaGa Milano(ガガミラノ)のアンバサダー活動の様子。ガガミラノさん公式の映像です。オシャレです。
レアル・マドリードのスクール生を対象としたサッカー教室も行われました。
改めて見ると、通訳中の僕は犬のように口を開けてヴィニシウスの話を聴いていますね。もともと鼻炎気味で鼻呼吸が苦手なのですが、ちょっと間抜けです。
それにしても子供達の気持ちになって考えたら、こんなに衝撃的で感動的なイベントもないだろうと思います。人生が変わった子もいるかもしれません。来日を実現したガガミラノさん、偉大です。
続いて写真です。
TBS「炎の体育会TV」収録の様子。
日差しも強く暑い日でしたが、本人はかなり楽しんでいました。何より。
フジテレビ「LIFE WITH FOOTBALL」インタビュー収録の様子。
彼が自身の生い立ちや背景を語った場面を訳す時、胸を打たれて思わず涙ぐみそうになったのはここだけの話です。
サッカー教室開催時の様子。
どうでもいいですが、片手に書類みたいなの持ってると、何となくそれっぽく見えますね。
ガガミラノ店舗に到着した時の様子。
完全に海外映画のワンシーンみたいですが、原宿です。
ガガミラノ店舗にて、ファンの方向けサイン会での様子。
彼は非常にファン対応が丁寧な選手で、このサイン会の時はもちろん、空港到着時の出待ち対応の際や、あるいはサッカー教室後に子供達に囲まれた時も、しっかり一人ひとりに対応していた姿が印象的でした。過密日程のためアテンドの立場としては介入して打ち切らざるを得ないシーンもあったのですが、特に子供達が相手の時なんか、それはもう非常に心苦しかったです。仕事の一部なので仕様がないんですが、大人になるって嫌だな、と思った瞬間でした。
最後は記念写真。
その表情からも伝わると思うのですが、ヴィニシウス選手、実に素朴で飾り気のない好青年でした。10代にして成功を掴んだスター選手ながら、自分を見失う様子も全くなく、実に落ち着いています。脇で支えるエージェントも非常にしっかりした人達で、そういったところも含めて、彼が偉大な選手となっていく道筋が想像できました。(もうひとつ付け加えると、彼らは最初から最後まで、一度も集合時間に遅刻しませんでした。)
通訳としては、テレビ取材、雑誌・新聞取材、スチール撮影、イベント等、数日の間に様々な場面を経験し、お仕事ながら結果的に色々勉強もさせてもらいました。2年前のネイマール来日に続いて貴重な機会を下さったガガミラノさんに感謝です。
また今回のアテンドを通じて、ヴィニシウスやエージェント達とすっかり意気投合し、友人となれたことも素晴らしい財産になりました(ブラジル人との仕事では自然とこういうことがよく起こります)。別れ際、翌月にリオデジャネイロで行われる彼の誕生日パーティーにも招待してもらったのですが、その後実際に行ってきたので、その時のこともまた書こうと思います。
9月の親善試合に向けたブラジル代表にも選出され、遂にA代表デビューも目前となっているヴィニシウス選手は、来年の五輪への出場にも意欲的です。これまでご存じなかった方も、是非彼の今後の活躍に注目してもらいたいと思います。
以上、ヴィニシウス・ジュニオール選手の通訳のお話でした。
それではまた。